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殺人的な忙しさで暇がないので、たぶんこれからもあんまり更新できないと思う。
長編・・・でも絶対完結させたいです。
すんごい短いけど短編書いたので追記に。
なんかいつものパターンな気がする。そうでもないかな?
うーん。
ミチコは口の端を持ち上げたまま顎に手をやって深くうなる。
ミチコのにやにやを見ながら、なによ、私はそう切り返す。
「私が思うにはさ、タカコ。」
「うん。」
「アンタの部下はアンタに惚れてると思うんだわ。」
そう言って彼女が尖った顎でクイと指した先に、部下の磯村ユウカがいる。
磯村は、なかなか愛嬌があっておじさん受けがよくて、でも媚びすぎてなくて仕事もほどほどに出来る。
彼女を形容すると、器用というのがぴったりくる気がする。もしくは、世渡り上手?
磯村みたいな部下を持つとかなり仕事がはかどるものだが、なんだかうまく行きすぎてちょっと居心地悪くなるくらいだ。
ほら、今が良すぎるとこの先ロクな事がない、っていうじゃない。
私が磯村に対する感想を並びたてると、ミチコはやれやれと首を振る。
どこまでも人の恋に首を突っ込みたがる女なのだ。そして、職場で唯一のビアン仲間だったりする。
「あんた、前々から思ってたけどにぶいよね。」
「なにが。」
「媚びないって、彼女は大分媚びてると思うけど。あんただけには。」
「…たとえそうだとしても、それは私が上司だからでしょ。」
「ちがうと思う。だって、他の人にはあんたに対するみたいな態度ぜったいとらないもん。部長にだってだよ。」
「へえ。」
私は磯村を見る。くるくるとよく働く。細かいことにも本当によく気づく子だと思う。
ミチコが隣で、「いいねえ。職場恋愛なんて、なかなかステキよ。」なんて言う。
「そうだね、職場恋愛か。いいかもしれない。」
「おおっ。ようやく乗り気になってきたね。」
ミチコの言葉がうきうきと華やぐ。私は、そんなんじゃないよ、と小さくつぶやいた。
職場恋愛は素敵だと思う。でも、私が職場恋愛したい相手は磯村じゃない。
にぶいのは、一体どっちなんだろう。